消防・防災設備の保守管理業務

1.消防用設備等の点検はなぜ必要か?

映画館、デパート、ホテル、病院、マンション等一戸建ての住宅以外の建物は、その用途、規模収容人員などにより、消火器、スプリンクラー、自動火災報知設備、避難はしご、誘導灯等の消防用設備等が【消防法令】により設置されています。
これらの消防用設備等は火災が発生した場合に火災の発生を知らせ、初期消火をするために設備されています。そして、昭和49年6月に消防法が改正され昭和50年4月から法律上の義務として点検報告制度が始まりました。

2.点検対象建物、点検実施者

消防法令に基づいて設置した消防用設備等の点検を行う義務があるのは建物の所有者、管理者、占有者等です。[消防法第17条3-3]
そして、延べ面積が1,000㎡以上の特定防火対象物の場合もしくは非特定防火対象物であっても消防署長が指定した対象物の場合には消防設備士もしくは消防設備点検資格者の資格をもった者が点検を行わなくてはなりません。しかし、延べ面積が1,000㎡未満の場合は当該資格を有する者のほかに対象物の関係者が点検を行っても良いと認められています。

消防法執行令第36条、昭和60年自治省消防庁告示第89条、
火災予防規程(昭和37年東京消防庁告示第17号)第6条-3

対象物 点検
実施者
内容 期間 報告先 点検報告 周期 提出先
延べ面積1,000㎡以上または消防署長が指定したもの 消防設備士
消防設備点検資格者
作動点検
外観点検
機能点検
6ヶ月に
1回以上
対象物
関係者
特定防火
対象物
1年毎に
1回
消防署長
延べ面積1,000㎡未満 上記の有資格者
対象物の関係者
(所有者、占有者、管理者等)
総合点検 1年に
1回以上
非特定防火
対象物
3年毎に
1回

※報告をしなかった場合または虚偽の報告をした者は罰金20万円以下・拘留【消防法第44条】

3.点検内容

外観点検 機能の設備状況、損傷等の有無など外観から判断できる事項を確認する。
機能点検 機器の機能について、外観又は簡易な操作により判断出来る事項を確認する。
総合点検 消防用設備等を作動させ、又は使用することにより総合的な機能を判断する。
作動点検 自家発電設備又は動力消防ポンプの正常な作動を確認する。

※点検内容の実施基準は、消防用設備等の種類、非常電源及び配線ごとに告示
【昭和50年4月1日自治省消防庁第3号】で定義されています。